2013年9月3日火曜日

染めるということ

こんにちは
染色作家の桂川美帆です。


時々、「これは布に描いてるんですか?」と尋ねられることがあります。
「いえ、染めているんです。」と言っても、なかなかピンときてもらえないので
染めている瞬間の写真を撮ってみる事にしました。


蝋でマスキングした内側を、刷毛で染めてゆきます。
素早く、そして丁寧に刷毛を動かさないと、染料液が変なムラを作ってしまうので
はみ出ないように細やかに気を配りつつ、生地への浸透具合を全体に気にしながら、手は素早く動かし、均一な動きを心がける。
全神経を研ぎすまして行う、意外と難しい作業です。

広い面積は、大きい刷毛で。狭い面積は小さい刷毛で染めます。
広い面積を染める時には、全身を使う激しい全身運動です。痩せます。



「何故わざわざ染めるんですか?」と尋ねられることもあるのですが、

「絵の具を使った絵画とは違った 独特の魅力に魅せられたから」

と答えています。

「涙は夜の彼方に」
2013年
78×370cm×3枚
(部分)

大変な思いをしてでも、
「染める」という行程から生み出された質感は、
フラットで、澄んでいて、それでいて深みがあって
私の表現したいことを後押ししてくれるように思っています。







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