2016年12月31日土曜日

「想いアラタに」メンバー一同から


さて、メンバーからの挨拶も終わりました。

最後に今回の展覧会の会場ポスターと挨拶を載せさせていただきたいと思います。
本展覧会を応援してくださった皆様に心から感謝申し上げます。







本展覧会は、東京都美術館「第5回 都美セレクション グループ展」の公募によって選ばれた16名の工芸作家グループ「月火水木金土日」による企画展です。
グループ名は、作家が作品と向き合う日々の姿を表しています。




月がでている夜中でも
火を使い
水を使い
木を使い
金属を使い
土を使い
日が照りつける昼間でも… 



 私たちは会派やジャンルによる区分を越えて、「工芸」に対する多様な価値観を共有し得る関係のもと、素材や技法への気持ちや、ものづくりに対する向き合い方こそを共通項として活動を続けています。
 5年間に渡る活動の、一つの節目として迎えた本展覧会には「想いアラタに」というタイトルをつけました。「工芸」について、自身の作品について、あらためて見つめなおしてみようという気持ちと、あらたな自分の道を開拓していけるように、という想いを込めています。
 自然や素材への敬意が「工芸」作品の根底にあるのだと私たちは考えます。
 素材一つ一つの性質や特性をこの手で感じとり、素材の最大限の魅力を引き出そうと工夫する日々こそが「工芸」の本質です。「手」が素材と出会う時、純粋な探求と修錬の日々が始まり、その中で初めて「技」が磨かれていくのだと感じています。
 暮らしの中で、生活を彩る美しさと機能性を合わせ持った「工芸」は、今では多種多様な表現を内包していると言えます。生活に寄り添うもの。アート性を重視したもの。伝統的なものから革新的なものまで。「工芸」はあらゆる方角へ道を開拓しているのではないでしょうか。
 今、私たちは受け継がれてきた歴史の先端にいます。無数に広がる「工芸」の道筋を、自ら開拓している最中です。
 「工芸」作品の重要な因子とは何か?という問いに改めて向き合い、模索した道を、共に体感していただければと思います。
 そして、あらためて「工芸の魅力」と未来への兆しを感じとっていただけましたら幸いです。
 本展覧会開催に際しては、多くの皆さまからご支援ご協力を賜りました。ご協賛いただきました皆様、東京都美術館様に厚く御礼申し上げます。



   「月火水木金土日」作家一同 

”想いアラタに”を終えて

展示の構成を担当しましたSHIMA ART&DESIGN STUDIOです。

今展覧会では多くの皆様にご覧いただきましたこと、誠に感謝申し上げます。

また5年に渡り計4回の展覧会を、東京都美術館という歴史ある会場で
展示構成を担当させていただきましたこと、作家のみなさまには大変感謝しております。

作品に対する作家さんの「想い」を私たちも多く学ばさせていただき、
観覧いただく方にもその「想い」を純度高くお伝えできるよう、構成を考えてきました。

第1回、工芸で繋がる想い
第2回、工芸作家それぞれの想い
第3回、工芸のいろへの想い
そして第4回となる、未来へ向けた想い

会を重ね、さまざまな想いを通し観ていただくことで
工芸や作家さんとの繋がりが深まる展覧会だったように感じます。
ただそれ以上に、何より作家の皆さまの素晴らしい作品のもつ魅力によって
展覧会は成り立っていることを、同時に改めて実感いたしました。

今後も、作家のみなさまの益々のご活躍を楽しみに、お祈り申し上げます。







2016年12月28日水曜日

そして今日も、想いアラタに・・・小島秀子

 

「想いアラタに」展におきましては沢山の方にご来場、ご高覧いただきありがとうございました。心からお礼申し上げます。
工芸グループ「月火水木金土日」を立ち上げて6年が経ちました。
都美術館で4回の展示が実現できましたこと、そして多くの皆様に応援頂だきましたたことを心から感謝申し上げます。

6年前にこの会を立ち上げた大きなきっかけとなりましたのがこの「都美セレクション グループ展公募」でした。キュレーターの南嶌 宏さんの熱い想いに触れ、アートのパワースポットとも言える前川國男の設計したこの都美術館でこそできる展示があると強く思いました。
工芸は先人の技術を受け継いで成り立っている仕事ではありますが、技術を継承するだけでは模倣にしか過ぎず、新しい自分の世界を確立できない。その為には新しい繋がりが大切なのではという強い思いで第一回展の「思いを繋ぐ」からスタートしました。

4回目の「想いアラタに」を企画して、1年半の間メンバーは「アラタな想い」と向き合ってきました。今回はギャラリーAでの初めての展示となりました。
前川國男の世界観に抱かれて最後の展示ができたことにも素晴らしい繋がりを感じずにはいられません。
また、今回は作家とSHIMA ART&DESIGN STUDIOによる展示構成だけではなく、照明・音楽に垂見幸哉氏、写真 の花田竜一氏に大きな力をいただきました。

想いアラタに、工芸に触れる
数多に広がる表現の中、改めて共有の原点を確かめ合う。
素材との対話から自然を尊ぶことを知り
受け継がれる技術は、人と人との繋がりの中で高められてきたのだと気付くとき
手の中に喜びと希望を感じて、自らの想いを作品に込める
永きにわたる工芸の軌跡の先へアラタな想いを今日も繋いでいく


光の指し示す先、「アラタな想い」は、思えば当たり前の毎日の自分です。
創作の日々、毎日毎朝、想いは更新されてゆき仕事に立ち向かっています。
東京都美術館での私たちのチャレンジは これで終わりますが、アラタな想いは私たちの中にもご高覧くださった方たちの中にも更新されつづけ、繋がっていくことと思います。

最後に、今年初めに思い半ばにして亡くなられてしまいました南嶌 宏さんのご冥福をお祈り申し上げます。

小島秀子

2016年12月26日月曜日

展示を終えて




今回は、いつもとは少し違う、空気を纏ったような作品を制作しました。
また作品以外に言葉と、手の写真を一緒に展示するという、普段一人ではやらないであろう、展示構成に、新鮮さと面白さを感じました。

作りたいものを作っていくためには、技術と感覚のアップデートが常に必要だということ、
作りたいものを作るのに必要な「手」は、なにより大切な道具であると改めて考えました。


大きな会場で展示できたことに感謝です。
今回の展示会で得たことを糧にまたさらに頑張っていきたいと思います。

ご来場いただきました皆様誠にありがとうございました。



2016年12月25日日曜日

展覧会を終えて

たくさんのお客様にお出かけいただけましたこととても感謝しております。いつもと違う空間に置くことで自分の作ったものを客観的に見る難しさと大切さを改めて感じました。長く仕事が続けていけるよう、その気持ちを大切に生きていきたいです。
写真は私の好きな会場風景です。
大木夏子