2014年5月17日土曜日

色について

こんにちは
染色作家の桂川美帆です。
今日は今回の展覧会のテーマである「色」について…

私が重視する物は「色」以上にはないといっても過言ではありません。
作品を作る上で、一番始めに脳の中に広がるのは、色彩のイメージです。
色彩によるイメージの風景から、それに見合った「形」が生まれます。
「形」から「色彩」の大きさや明暗、彩度を再び明らかにしてゆきます。
そうして「絵」が定まってくるようです。
一つ一つの「色」よりもいくつかの色彩同士の響き合いに、いつも心が動かされます。
特に自然界の色の響き合いは、私の想像力を掻き立てます。自然界には不思議と、補色に近い響き合いが溢れます。


例えば夕暮れ前の空の色の様子などです。互いに馴染む事のないような色同士の複雑な組み合わせに特に関心があります。

私にとって「色」とは想像力を刺激する無限の力です。

「7つの心と今日の夢」(細部)
絹に臈纈染め
2010年
 

2014年5月15日木曜日

いろについて

私にとって色とは素材です。陶芸の素材である土や釉薬を高温で焼くことで素材自体の発色を良い状態にして作品の色を決定させています。私の作品は主に無彩色が多く、質感や色味の異る黒や白を組み合わせたものが多いです。それは土や釉薬の原料となる鉱物や金属などの元々自然界に存在する素のままの素材を作品の色として直結させたいからです。

2014年5月13日火曜日

いろについて 長谷川大祐

金属の「いろ」には絵画のように幅広い種類はありませんが、限られたなかにも魅力 的な「いろ」が数多く隠されています。素材とつきあっていく過程で金属は様々な「いろ」を私に魅せてくれます。精製され たばかりの明るさ、熱が放射状に伝わるときに出来るグラデーション、研磨し鏡面状に 反射する光沢、時間の経過による味わい深さ。その「いろ」を発見し、より良く魅えるものへ導くことが私の「いろ」との付き合い かたです

2014年5月11日日曜日

いろに想う 織 小島秀子


私が織り物を制作する中で一番こだわりを持っているのは「いろ」です。

第2回展の時にも書きましたが、透明な色の重なりが好きです。
織物の色の見え方は並置混色で、経糸と緯糸が交差して出来る小さな点で構成されています。この色の混ざり方が「透明な色の重なり」になります。
この並置混色ではただ単に絵の具を塗るのとは違った、色が見えて来ます。

また、同じ色でも素材によって色の見え方が違ってきます。
織り物はその素材から自分で作ったり選んだり出来ます。
使い道から素材を選ぶ事もありますが、色の見え方から素材を選ぶ事もあります。
また素材自体の色を使う事もあります。

織物の色の表現は染料です。
染料で煮染めする事によって素材の中から染まって行きます。
そのため織物の色には深みがあるように思います。
また染料によっても発色が違うのでその時のイメージにあった染料を選びます。
透明感のある染料、金属を含んだ重みのある染料、色の深みがある天然染料など。

素材や染料の違う沢山の色の見本を作っています。
この見本を見ていると、作品のイメージがわいてきます。