2013年8月23日金曜日

数字に置き換える 小島秀子−4

織物はイメージを決めたら、実際に織るには全て数字に置き換える作業が必要になります。
模様は経糸と緯糸で構成されています。
経糸と緯糸のそれぞれの本数を計算、絣であれば染める部分の本数と長さも数字に、
色は染料の濃度と調合も数字に置き換える。
 勿論色染めには勘も必要だけれども、まずはどんな染料のどんな濃度にするか。
それは天然染料でも、化学染料でも同じです。
blue G 3%+yellow RD 1%とか、ヤマモモ10%の硫酸銅3%媒染・・・・等々。

実は、数字が大好き。計算が大好き。
この、イメージを数字に置き換える作業が大好き。

デザインは、かなり具体的に描く時と、計算と記号(自分が分かれば良いだけの記号に置き換えます)に頼る時と 2通りあります。

でも、どちらにしても、最終的には数字にします。

数字の羅列、計算、大好きなんです。





2013年8月18日日曜日

漆のしごと場






木工の仕事と漆の仕事は分業でおこなわれるのが通常ですが、わたしは 木地作り(木工) から漆の仕上げまでのすべての工程を一貫して自分の手で行い、自らデザインした作品をかたちにするというスタイルで制作しています。


木工のしごと場 については以前のブログでも紹介しましたので、今回は " 漆のしごと場 " についてのお話です。

北原漆工房を訪れたかたからは「だだっ広くて、なにもないですね。」とよく驚かれます。

うちの工房はわたしが生まれた時に塗師である父が建てたもので、歴史的にこの地域 (木曽)では座卓など大きな物を作ってきたこともあり、この工房では1階と2階を合わせて40畳あまりをフルに使って漆の仕事をしていました。

その後わたしが木工のしごともするようになったのでそのためのスペースも必要になり、今では1階の20畳あまりのスペースで塗りのしごとをしています。

仕事をしやすくするため、人様から「なにもない」といわれるくらいにいつも片付けていますが、作業工程にあわせて必要な道具を用意し、効率的な作業場を作るようにしています。


閉じているとわかりにくいですが、漆を乾かす" 室(むろ、もろ)"というスペースもあり、その中には茶道具や日々の暮らしの器に花器、そして小箪笥、テーブルとった小家具や厨子など、さまざまな作品がところ狭しと並んでいます。


正面に見える戸の向こうすべてが 漆を乾かす "室"