木漆工芸作家の北原進 です。
木工の仕事と漆の仕事は分業でおこなわれるのが通常ですが、わたしは 木地作り(木工) から漆の仕上げまでのすべての工程を一貫して自分の手で行い、自らデザインした作品をかたちにするというスタイルで制作しています。
木工のしごと場 については以前のブログでも紹介しましたので、今回は " 漆のしごと場 " についてのお話です。
北原漆工房を訪れたかたからは「だだっ広くて、なにもないですね。」とよく驚かれます。
うちの工房はわたしが生まれた時に塗師である父が建てたもので、歴史的にこの地域 (木曽)では座卓など大きな物を作ってきたこともあり、この工房では1階と2階を合わせて40畳あまりをフルに使って漆の仕事をしていました。
その後わたしが木工のしごともするようになったのでそのためのスペースも必要になり、今では1階の20畳あまりのスペースで塗りのしごとをしています。
仕事をしやすくするため、人様から「なにもない」といわれるくらいにいつも片付けていますが、作業工程にあわせて必要な道具を用意し、効率的な作業場を作るようにしています。
閉じているとわかりにくいですが、漆を乾かす" 室(むろ、もろ)"というスペースもあり、その中には茶道具や日々の暮らしの器に花器、そして小箪笥、テーブルとった小家具や厨子など、さまざまな作品がところ狭しと並んでいます。
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