2014年5月29日木曜日

色の記憶

こんにちは。木工の薗部です。
この文章は今回の展示の主軸といえる「いろ」について何か書いてみるという趣旨のものです。色彩そのものより、その周囲で起こっている事に注目して書いてみました。




「色の記憶」

目を閉じてしまえば、一切の現実の正確な色とかたちは私達の意識から離れてゆきます。
 例えば、いつかの夕日を私達が、うまく思い出せないように。
  
 記憶は曖昧になりますが、それでも何か特別な事や傷のようなものが僅かに手元に残ります。あるいは私達の人生はそういったものを少しずつ集めては組み立てて生きているということもできるでしょうか。僕の関心は自己や他者のそういったところです。
少し極端な意見になるかもしれませんが、作品そのものよりも、それを見た後の不在の場で、あなたや私にかたちや色がもたらすものは一体何か。さらに言うと、作品を見た方々を揺り動かすものが本当にそこにはあったのだろうかというところに、僕の制作の重心が置かれています。

そして夕日がいつも違ったものを私たちに投げかけているように作品から受ける印象が見るたびに違って見えたら、それは素敵な事だなと考えています。








この画像は僕の家から歩いてすぐの小貝川の夕暮です。

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