2013年6月14日金曜日

「染まる色」の美しさ

こんにちは 染色作家の桂川美帆です。
今日は、ろうけつ染めの色の魅力について書きたいと思います。
この写真は、先日のお着物を染めている途中の段階を写したものです。

 下から見上げて、光を透過させると、色がいくつも重なってとてもきれいです。
以前にも書かせていただきましたが、ろうけつ染めは、防染と染色を何度も繰り返して模様を描き出してゆくという特徴があります。
薄い色から染めてゆき、乾いたら蝋でマスキングを施し、また違う色で染めてゆく、その繰り返しが、独特の深みのある色を作り出します。

そしてその特有の透明感や鮮やかさが、わたしにとって、空の色や、花びらの重なり、遠くの景色を思い起こさせるのです。
優しくて、たおやかで、はかないようで、力強い、そんな色彩に魅せられて、私は心象風景を表現しているのかもしれません。



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