2013年10月7日月曜日

つくるもの。木の家具。

木の家具。
僕が木の家具をつくるときにふとある事をおもいだします。


それは、学生のときの講評の時なのですが。
私たち学生が作品を作る動機をコメントを述べて、それから先生たちがそれぞれの講評にはいります。
その頃の僕は家具を作るのに、形や質やそのものが持つ背景、つまり見る人が思い起こす想念などが、作る上での大切なことなのでした。

その研究生は同期にいました。


その人の椅子の制作動機が、「親しい友達のようなものを作る気持ちで作りました。」という一言なのでした。

四本脚で背が井の字型の格子が組み込まれている小イスで、材は西洋胡桃でした。程よく丸い面取りがされていて、形のよい足掛けが前脚についてました。

そんな風に作る気持ちもあるのだなと、思いました。そう考えると世の中の家具たちは、様々な人格を供えたものに見えてきて、なかなか楽しいです。

家具以外の作品を作るときも同じなのですが、
その内容について私達は説明を求められます。ところが、それ以前にスッと伝わってしまうものってありますよね。そういう雰囲気について気を付けるようにしていたいなあと考えています。



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