2014年8月31日日曜日

工芸の色 小島秀子②

染織の小島秀子です。

 今回の展示テーマは「色」です。
工芸の「色」は素材を伴ったいろです。同じカラーチップで色を選んでそれぞれの素材でその色を表現しても、皆違う表情の色になります。
同じ色を選んで色を染めても、素材によって表情が違ってきます。
絹糸、木綿、ウール、麻・・・・
そして同じ絹糸でも、沢山の種類があり、色の見え方の表情も様々です。
作品を制作するときは用途によって素材を選ぶ事も多いですが、色の見え方から素材を選ぶ事もあります。
その色の見え方を表現したい時に、その素材でなくては表現出来ない事もあります。

自分の織物の色と向き合う事。
これはいつもの仕事で、いつも毎日毎日積み上げていますが、
今回の「いろに想う」では、メンバーの他の素材の工芸の「色」と向き合う事も、私にとっては楽しみです。

透明感のあるガラスの色。田原さんのガラスの黄色。
光を通す黄色は軽く見えていても実は暗いかもしれない。
蔦嶋さんのガラスの創り出す影の色。
無彩色に見えるけれど、色々な色を含んでいるかもしれない。
長谷川さんの金属が反応して発色する天然の色。
鮮やかに見える色もとても静かな色かもしれない。
佐藤さんの白が創り出す陰影。優しく見えるけれど強いかもしれない。
泉さんの磁器の白、白い中にたくさんの色があるかもしれない。
土屋さんの木綿で表現された色は、マットだけれど艶やかかもしれない。
森田さんの華やかな可愛い花の色は、とても静かな色かもしれない。
桂川さんの、色は一つの色に沢山の色が見え隠れしている。
前沢さんの透ける様な緑は、織りで表現したらどんな色になるのだろう。
濱野さんの陶器の色はの強さは、どんな色で出来ているのだろう。
薗部さんの木は、天然の色。織りの素材の天然の色とどんな風に違うのだろう。
雪ノ浦さんの色は素材を変えたらどんな色に見えるのだろう。

沢山の工芸の色と向き合える事、とても楽しみにしています。

画像は私の使う織りの素材のいろいろ



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