2014年9月4日木曜日

木のいろ

木工の薗部です。こんにちは。今回は私達が普段目にしている色のこと、木の色の事について、文章にしてみたいと思います。



少しいきなりですが、仏教では「色」とは目に見える一切もの全てを指すのだそうです。その考えによってゆくと私達は常に色を見ているという事ができるわけです。考え方というものの面白みを感じないわけにはいきません。

そんな事意識したことないよ。
と、いう人はもおられると思います。例えば、光がなくなる夜の暗闇は色があるのか、見えているのにみえないじゃないか。言い方を替えると、目は開いているのに何も見えないじゃないか。となるわけです。
なるほど。しかしですね、色の認識の考え方によってゆくと例えば、「闇の色」という名前をつければそこにも色がありそうです。つまり色という考え方でいけば、それでいろいろ解決しちゃいそうです。とても便利な考え方ですね。

この事と僕の作品がどう関係しているかといいますと、今のところ直接は無いのですが、あるとき意識的に木の色というか、木の表面をあらためて見たときのことを思い出します。木の色は不思議です。物質は表面で光が跳ね返り私達は網膜で受け取り、その光が見えるわけですが、木の場合、少し光が深部に入ります。ほんの少しです。水に濡らしたり、クリア塗料を塗るとそれが顕著になります。そこは大きな特徴です。

少し透過する。これは木だけの特徴ではないのですが、特にそこの見え方は独特です。とても小さな色の複合。自然物の不思議。

ついでに自然光線はとても多くの色彩の幅を私たちに感じさせてくれています。白木の作品写真を撮っていると(直射でないほうがよいです)見違える程の違いをその傾きやら雲行きやらで、感じさせてくれます。明度が揃わないなど困ることもあるのですが、その魅力はまさに言葉にできません。

私達は幸せにも、ほぼ無意識に色を受け取っているんですね。



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