染色作家の桂川美帆です。
この度の「いろに想う」では、沢山の方にお越し頂けましたこと大変嬉しく思います。
三回目の開催となる今回、テーマとなったのは「いろ」でした。
以前にも書きましたが、自然界にある色同士の組み合わせから刺激を受けて、
色の響き合いを大切に、心に染み入るような色の情景を私なりの世界観で表現しました。
日が暮れ、道すがら物思う、しっとりとした時間、考えが揺さぶられる まどろみの「いろ」。
冴える日の光、もしくは雨に霞む朝、露に濡れる鮮やかな植物が不安な心に新しい始まりを告げる、それはカーテンに投影されて、「いろ」が滲む。
光の祝福、胸が高鳴るような生命の「いろ」、月の光も同様に、星座が遊ぶ。
遠くはまだ明るくて、さびしそうに目を瞑る花達、束ねて窓辺に飾る、夜の「いろ」は輝度を増して。
見えない「いろ」の入り口は夜に開く、今晩は、宇宙の軌道に花を手向けて眠ろう。
言葉ではうまく伝えられない日々の中の「いろ」を、私なりに表現しました。
観ていただいた方の心に、少しでも響くものがあれば幸いです。
お越し頂いた皆様、本当にありがとうございました。
東京都美術館という場で、自分の表現したいことをしっかりと出来るのは恵まれたことだと思います。今回の展覧会を糧に、これからも作品と共に成長していきたいと思います。
ありがとうございました。
桂川美帆
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