2014年12月23日火曜日

展覧会を終えて。

こんにちは木工の薗部です。

「いろに想う。」展が大変盛会のうちに終了いたしました。ご高覧下さいました皆様、大変ありがとうございました。連日のご感想、ご意見も賜りまして誠に感謝いたしております。
今回の展示テーマは、共木(ともぎ)の木工をやる身といたしましては、いささか考えなければならない内容でした。木工の世界では方向性として幾つかの色彩を扱う木画や象嵌の仕事と、単一素材のみで仕事をしてゆく共木の仕事があります。僕は後者にあたります。

確かに「いろ」とは、とあるグループの中の個人の特色とも捉えられます。でも、私自身の問題として、ここは今まで考えてもいなかった色のことについてじっくり考えるいい機会だなとおもったのです。その内容はこれまでのブログに書かれています。右の欄の名前が並んでいるやや下の方の薗部の名前を選択していただけると、過去のブログが表示されて遡って読み易いです。
「木製ショウケース2014」これが今回の作品タイトルです。材料はブラックウォルナット(西洋クルミ)この色は美術館の外壁の色のイメージとどこか似ています。したがって、ショウケースは色彩の印象を美術館のそれに宿命の様に奪われてゆきます。そして置かれた箱はガラスの板とともに床の色に消えるかのようです。





私は前年の展示のときも作品について説明しましたが、今回も美術館と相似の関係を持つショウケースの構造について、あるいはその内容を考えるテーマを掲げました。それは、中と外の空間があり、あるいは境界があります。ディテールに言葉があり、それを享受する空間の容積があります。それらを受けとり、また聞き漏らさない様にする事が今回の私の仕事でした。

この展示で私がしたことは、既にあるウォルナットのいろを受け取りながら形と空間の意味を浮かびあがらせることになっていったのでした。




いかがですか、いろを扱っていながらそこを観ていただいている方々の意識を通過させ、空間性や形に感覚を向けてけるような仕事ははたしてできたのでしょうか。

今回ご覧になった方々、どうもありがとうございました。また、都合が付かずに気になさって下さった方々、どうもありがとうございました。このブログを読んで下さった方々どうもありがとうございました。
今は私は展示を終えてまた同じような場所に帰ってきたのですが、展示を終えてみると、少し違っていましてなぜか、自分の奥底から湧き上がるある感情があります。とても良い感覚なので、いろいろと感謝したくなるのです。
今回の制作と考えてきた事を糧としまして、また次回の制作につながるように日々精進したく思います。どうもありがとうございました。

薗部秀徳





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